転職先を選ぶとき、給料や仕事内容は、みんな見ます。
でも「トイレ」を気にする人は、なかなかいません。
こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。
今日は、求人票には書かれていない「働きやすさ」の話をします。
少し変わったところから入りますが、最後まで読んでいただければ、面接や会社見学のときに何を見ればいいかが分かると思います。
求人票に出ない「働きやすさ」があります
まず、私自身の話をさせてください。
私はもともとお腹が弱いタイプで、緊張したり、朝になったりすると、すぐにお腹が痛くなります。
通勤にも時間がかかるので、「途中でお腹が痛くなったらどうしよう」と思う日もあります。
幸い、今の会社は各階にトイレがあるので、「誰かが入っていてピンチ」という状況がほぼありません。
朝、会社に着いてトイレに行くのが日課ですが、このいつでも入れる安心感が、思った以上に毎日を楽にしてくれています。
でも、もしトイレの数が少ない会社だったら。
朝のピーク時に、毎回ヒヤヒヤしていたかもしれません。一歩間違えば、地味だけど確実なストレスになっていたと思います。
ここが、ズレやすいポイントです。
求人票や面接では、こういう「生活のしやすさ」はまず話題に出ません。
でも実際に働き始めると、毎日効いてくるのは、こういう小さな部分だったりします。
ただし、トイレを見るのは現実的でないこともあります
……と、ここまで書いておいてなんですが。
正直に言うと、選考の場でトイレを確認するのは、簡単ではありません。
私はこれまで、面接に来られた方から「お手洗いをお借りできますか」と言われたことが、一度もありません。
オフィスビルに入っている会社なら、共用のトイレがあるので見やすいと思います。
でも、建物の作りによっては、その会社の従業員しか使わないトイレしかない場合もあります。そうなると「貸してください」と言うのは、なかなか勇気が要ります。
だから——トイレは分かりやすい例として挙げましたが、それだけを頼りにするのは現実的ではありません。
もっと見やすくて、もっと多くのことが分かるものがあります。
代わりに、見ておくといいもの
面接や会社見学で、私が「ここは見ておいてほしい」と思うものを挙げます。
| 見るもの | そこから分かること |
|---|---|
| 掃除や整理整頓の状態 | 日々の運用が回っているか |
| 従業員が挨拶してくれるか | 職場の空気 |
| 部署名の表示が最新か | 細部まで管理が行き届いているか |
| 掲示物の中身 | 会社が何を大事にしているか |
| トイレの場所と数(見られれば) | 毎日の過ごしやすさ |
掃除と整理整頓は、分かりやすいと思います。
日々の運用が回っている会社は、たいてい片づいています。逆に、余裕がなくなると、そこから崩れていきます。
挨拶も同じです。すれ違ったときに声をかけてもらえるかどうかで、その職場の空気はかなり伝わります。
掲示物も、意外と見られています。実際、うちにも地域に関わる掲示物が貼ってあります。
そこに何が貼ってあるかで、その会社が何を大事にしているかが、なんとなく見えてきます。
そして——表の3つ目。ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
会社の管理レベルは、細部のズレに出ます
たとえば、こんなことがあります。
訪問する前に「◯◯部の△△が対応します」と聞いていたのに、受付の内線電話の一覧を見ると、そこに書かれている部署名が違う。
組織の編成が変わったのに、事務所の入口に掛かっている部署名のサインが、古いまま残っている。
私は、こういうものがつい目についてしまいます。
一つひとつは、些細なことです。誰も困っていないのかもしれません。
でも、細かいところまで管理が行き届いていないのかもしれない——そう見えてしまう。
そして大事なのは、こういうズレは、意図的に隠せないということです。
求人票や会社説明では、いくらでも良く見せられます。でも、内線電話の一覧や、入口のサインまでは繕えません。
だからこそ、そこにその会社の素の状態が出ます。
ただし、ここは誤解しないでください。
ズレがあるから悪い会社、という話ではありません。
細部まで整っている会社は、管理が行き届いている代わりに、決めごとが多いかもしれない。
逆に、多少ゆるくても、動きが速い会社かもしれない。
どちらが良いかではなく、それが自分に合うかどうかです。
同じように「進めていることの進捗の話し方」からも会社の文化は見えます。こちらに書きました。
見せてもらえないものもあります
一方で、こちらの事情も書いておきます。
「事務所を見せてください」と言われると、正直、少し抵抗があります。
理由は単純で、企業秘密があるからです。
机の上に置かれている書類。ホワイトボードに書かれた予定。そういうものが、見ようと思えば見えてしまいます。
だから、断られたとしても、それはあなたを警戒しているわけではありません。
見せられない事情があるだけです。そこで「隠しごとがあるのでは」と勘ぐらなくて大丈夫です。
代わりに、通された部屋までの通路や、受付まわりを見るだけでも、けっこう分かります。
気になることは、その場で聞いてください
「そんなことを聞いて、印象が悪くならないだろうか」
そう思われるかもしれません。
はっきり書きます。印象は下がりません。
むしろ、気になることは、その場で解消していってほしいと思っています。
理由があります。
その場では聞かずに、あとから確認してくる方がいます。面接が終わったあと、内定が出たあとになって「実は気になっていて」と。
そのとき、正直こう思ってしまうことがあります。
「なぜ、今なのだろう」
もちろん、そのときは忘れていた、ということもあると思います。だから絶対にダメだという話ではありません。
ただ、同じ質問でも、聞くタイミングで受け取られ方が変わってしまう。これは事実です。
だったら、その場で聞いてしまったほうがいい。
特に、選考の前の面談であれば、なおさら気楽に聞けます。
逆に、聞かないと心配されることもあります
反対のことも書いておきます。
聞かれないと、こちらが不安になることもあります。
たとえば、通勤です。
通勤手段が限られる会社は、実際にあります。公共交通機関では通いにくく、車がないと現実的に難しい、というような場所です。
そういう会社で、通勤について何も聞かれないと、
「この方は、通勤のことをちゃんと考えていらっしゃるだろうか」
と気になってしまいます。
入社してから「思っていたより通えない」となるのは、お互いにとって不幸ですから。
だから、生活に関わることは、遠慮せずに聞いてください。
聞かないほうが、心配されることもあります。
まとめ
・求人票に出ない「働きやすさ」は、毎日効いてくる
・ただしトイレは、建物の作りによっては選考の場で確認しにくい
・代わりに見るなら、掃除・整理整頓・挨拶・掲示物
・部署名の表示のズレなど、細部には会社の素の状態が出る
・ズレの有無は良し悪しではなく、自分に合うかどうかで判断する
・事務所を見せてもらえないのは、企業秘密があるから。勘ぐらなくていい
・気になることは、その場で聞いていい。印象は下がらない
・むしろ、あとから聞かれると「なぜ今」と思われることがある
・通勤など生活に関わることは、聞かないほうが心配される
転職の軸は、給料や肩書きだけではありません。
自分が毎日ラクに過ごせるかも、立派な軸です。
そしてそれは、求人票には書いてありません。自分の目で見て、自分の口で聞くしかない。
面接は、選ばれる場であると同時に、あなたが選ぶ場でもあります。
どうか、遠慮せずに見て、遠慮せずに聞いてください。
内定が出たあとに条件を確認するときの伝え方も書きました。





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