内定が出たあとに条件を確認するのは、悪いことじゃない。でも採用側はこう見ている

採用の裏側

こんにちは。採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。

内定の連絡をもらったあと、こう思ったことはないでしょうか。

「評価制度がどうなっているのか、聞いておきたい」
「賃金の仕組みを確認してから決めたい」

そう思うのは、まったく自然なことです。転職サイトの記事を読んでも、
たいてい「気になることは遠慮せず確認しましょう」と書いてあります。

それは正しいアドバイスだと、わたしも思います。

ただ、採用する側にいると、少しだけ違う景色が見えることがあります。

今日はその話を書きます。読んでいて気持ちのいい話ではないかもしれません。

でも知らないまま損をするより、知ったうえで自分の聞き方を選べたほうがいい。

そう思って書きます。

まず最初に言っておきたいこと

条件を確認するのは、応募する側の正当な権利です。

これは前提として、はっきり言い切っておきます。

給与、評価の仕組み、休日、残業の扱い。

こうしたことを確認しないまま入社を決めて、

あとから「思っていたのと違った」となるほうが、

お互いにとって不幸です。

特に40代の転職は、次の一手を簡単にやり直せません。

慎重になるのは当たり前のことです。

だから、この記事は「確認するな」という話ではありません。

そこだけは先にお伝えしておきます。

それでも、採用側の空気が変わることがある

そのうえで、現実の話をします。

内定を出したあと、

応募者の方から評価制度や賃金制度について詳しく確認したい

という申し出をいただくことがあります。

そのとき、社内でこういう反応が出ることがあります。

「細かいことを気にする方なんだな」
「うちの雰囲気には合わないかもしれない」

正直に書きますが、わたし自身、そう感じたことがあります。

理不尽だと思われるかもしれません。

実際、少し理不尽だと思います。

確認する権利があると言っておきながら、

確認したら心証が下がるというのは、筋が通っていません。

でも、採用する側も人間です。

そして採用の場面では、相手の情報がとても少ない。

だから、ひとつひとつの言動が実際以上に大きな意味を持って見えてしまう。

「制度を細かく確認したい」という一点が、

その人の全体像として受け取られてしまうことがあるのです。

なぜ、そう受け取られてしまうのか

わたしなりに考えてみると、こういうことだろうと思います。

採用する側は、内定を出した時点で「この人と一緒に働きたい」という気持ちになっています。

気持ちが前のめりになっている。

そこに制度の確認が来ると、それが「条件を見極められている」

ように感じられてしまう瞬間があります。

実際には、応募する側だって同じように真剣に見極めているだけなのに。

つまり、質問の中身そのものが問題なのではありません。

その質問が、何のためのものなのかが伝わっていない

ここに原因があるように思います。

だとすれば、打つ手はあります。

同じ質問でも、印象が変わる聞き方

制度について聞くとき、質問の前にひとこと、

目的を添えるだけで受け取られ方が変わります。

たとえば、こういう形です。

「入社後に会社が何を求めているのかを、事前に把握しておきたいと思っています。

そのために評価制度をお聞かせいただけますか」

「やるべきことにきちんとフォーカスして、優先順位をつけて働きたいと考えています。

どういう点が評価されるのか教えていただけると助かります」

「評価制度にはその会社の文化が表れると思っています。

御社がどういう考え方の会社なのかを知りたくて、伺いたいのですが」

聞いている内容は、まったく同じです。

評価制度を教えてくださいと言っているだけです。

でも、受け取る側の印象はかなり変わります。

前者は「条件を確認されている」に見え、

後者は「入社後にどう動くかを、もう考えてくれている」に見える。

小さな違いに思えるかもしれません。

ただ、採用する側は限られた情報でその人を判断しています。

だからこそ、この小さな違いが効きます。

賃金制度を聞きたいときも同じです

お金の話は、いちばん聞きにくいところだと思います。

ここでも、目的を添えるという原則は同じです。

「長く働かせていただきたいので、

どういう積み上がり方をしていくのかを知っておきたい」

こうした一言があるだけで、「今の条件を値踏みしている」ではなく

「先を見ている」という印象に変わります。

もうひとつ。

確認と交渉は分けたほうがいい、というのがわたしの実感です。

制度がどうなっているのかを知りたいだけなら、それは確認です。

金額を上げてほしいという話は、交渉です。

この二つが混ざると、相手は身構えます。

まず確認だけを済ませ、そのうえで交渉が必要かを判断する。

順番を分けるだけで、話は進みやすくなります。

それでも、聞くのをやめないでほしい

ここまで読んで、「じゃあ、あまり聞かないほうがいいのか」

と思われたかもしれません。

そうではありません。

むしろ逆です。

わたしが採用に関わっていて、はっきり感じていることがあります。

それは、面接では、その人のごく一部しか分からないということです。

何度か会って、時間をかけて話をしても、

内定を出したあとのやり取りで初めて見えてくることがあります。

面接の場では気づけなかったことが、そこで顕在化する。

何度も経験しました。

これは、応募する側から見ても同じはずです。

面接で見た会社の姿は、その会社のごく一部でしかありません。

担当者の感じがよかった。

話が弾んだ。

それだけでは、入社後に自分がどう働くことになるのかは、ほとんど分かりません。

だから、確認は必要なのです。

そして、こうも思います。

採用する側も、応募する側も、限られた情報のなかで大きな判断を下さなければならない。

それは、どうしようもない事実です。

本当のことは、一緒に働き始めてからしか分からない。

お互いに、分からないまま決めている。

そう考えると、少し気が楽になりませんか。

確認したいことを確認するのは、その分からなさを少しでも減らすための、

まっとうな努力です。

遠慮する理由はありません。

まとめ

  • 内定後に条件を確認するのは、応募する側の正当な権利です
  • ただし採用する側は、その確認を「合わないかもしれない」と受け取ってしまうことが現実にあります
  • 原因は質問の中身ではなく、何のための質問かが伝わっていないことにあります
  • 質問の前に目的をひとこと添えるだけで、印象は変わります
  • 確認と交渉は、分けて進めたほうがうまくいきます
  • 面接で分かることは、お互いにごく一部だけ。だからこそ確認は必要です

内定承諾の期限が迫っていると、焦る気持ちが出てきます。

でも、聞き方さえ整えれば、聞くこと自体があなたの不利になることはありません。

納得したうえで決めてください。

それが、次の職場で長く働くための一歩目になります。

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