応募したのに、書類の段階で見送りになる。
面接まで進めれば話せるのに、そこにたどり着けない。
そんな時間が続くと、だんだんこう思えてきます。
「自分の経歴には、価値がないのだろうか」
こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。
私は今、応募書類を最初に受け取る立場にいます。
今日は、書類が届いてから見送りが決まるまでのあいだに何が起きているのかを、できるだけ正直にお話しします。
結論:書類で落ちているのは、魅力が足りないからではありません
先にお伝えします。
私が書類の段階で見送りにしているのは、そのほとんどが「最低限の条件を満たしていない」という理由です。
人柄が伝わらないとか、文章が上手ではないとか、そういう理由で落としているわけではありません。
条件が合っているかどうか。
まずは、それだけを見ています。
そう聞くと冷たく感じるかもしれませんが、逆に言えば、条件が合っていれば書類は通ります。
なぜそう言い切れるのか、順番にお話しします。
書類選考は、実は2回あります
あまり知られていないと思うので、ここから書きます。
書類選考は、1回ではありません。
私の会社では、こういう流れになっています。
- 応募書類が、まず採用窓口である私のところに届く
- 私が、募集条件を満たしているかを書類の上で確認する
- そこを通った方の書類を、募集している部門の責任者に共有する
- 部門責任者が、あらためて書類選考をする
- そこでOKであれば、一次面接の日程調整に入る
つまり、あなたの書類は2人の、別の目で読まれています。
そして、見ている場所が違います。
私が見ているのは、募集条件と合っているかどうか。
部門責任者が見ているのは、自分の部署で一緒に働けるかどうか。
ここを知っているかどうかで、書類の作り方は変わってくるはずです。
採用担当だけに向けて書いても足りないし、現場だけに向けて書いても、その手前で止まってしまう。
私が最初に見ているのは、たぶん思われている場所とは違います
正直に書きます。
私が書類を開いて、最初に目を落とす場所は、志望動機ではありません。
エージェント経由で届いた場合は、この順番です。
- 年齢
- 現住所
- 職務履歴
スカウト型のサービス経由の場合は、現住所の情報がないので、年齢、職務履歴の順になります。
こう書くと身も蓋もないのですが、書類の構成がそうなっている、という面もあります。
上から順に読めば、自然とその順番になるのです。
ただ、誤解しないでいただきたいことがあります。
最終的には、全部読んでいます。
最初のこの数秒は、ふるいにかけるための時間ではなく、これから読む書類の輪郭をつかむための時間です。
なお、今は履歴書と職務経歴書が明確に分かれていない書類も多くなりました。
どちらの情報も1つにまとまっている形です。
なので「履歴書はさっと、職務経歴書はじっくり」というような読み分けも、実際にはあまりしていません。
「この方には会わなくていい」と決まる瞬間
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
私が見送りを決めるのは、大きく2つの場合だけです。
1. 提示している条件を、満たしていないとき
求人票には、必須の条件を書いています。
その条件を満たしていないとき、私は見送りにします。
たとえば、必須要件に書いてある経験と、近いけれど違う経験だった、というようなことです。
似ているように見えても、私たちが必要としている経験とは別のものだった。
そういうケースは、実際に少なくありません。
ここで大事なのは、これは評価ではないということです。
その方の力が足りないという話ではなく、今回の募集とは合わなかった、というだけの話です。
2. 知識、経験、スキルが、圧倒的に足りないと感じられるとき
もうひとつは、書類を読んでいて、募集している仕事に対して知識や経験が大きく届いていないと感じるときです。
これは条件の話とは少し違って、書類全体から伝わってくるものです。
ただ、この2つ以外の理由で、私が書類を見送りにすることは、ほとんどありません。
文章が硬いから。
自己PRが短いから。
そういう理由で落とすことはないのです。
応募書類の書き方については、こちらでも書いています。

40代の書類だけ、ひとつ変わることがあります
40代の方の書類だからといって、見る場所が変わることはありません。
年齢の欄を見て、そこで気持ちが変わるということもありません。
ただ、ひとつだけ、正直にお伝えしておかなければならないことがあります。
私たちは、40代の方を未経験で採用することはありません。
だから、知識、経験、スキルに求めるハードルは、どうしても上がります。
これは意地悪をしているのではなく、40代の方を採るときは、その方の経験が今すぐ必要だから採る、ということです。
裏を返せば、経験が合っている40代の方は、むしろ強い立場にいます。
そして、40代を採りたいと考えている会社は、実際にあります。
だからこそ、条件が合う求人にきちんと出会えているかどうかが、20代や30代のとき以上に効いてきます。
エージェント経由とスカウト経由では、書類の届き方が違います
同じ応募書類でも、どこを通って届くかで、私の手元での見え方は変わります。
| エージェント経由 | スカウト型サービス経由 | |
|---|---|---|
| 届き方 | エージェントから職務経歴書が送られてくる | 自分のタイミングでレジュメを見に行く |
| 現住所 | 分かる | 分からないことが多い |
| 推薦文 | エージェントによる推薦文のようなものが付く | ない |
この推薦文の存在は、あまり知られていないかもしれません。
エージェント経由の場合、書類と一緒に「この方はこういう方です」という紹介が添えられていることがあります。
一方でスカウト型の場合、そこにあるのは、ご本人が書いたレジュメだけです。
ここまで読むと「では、エージェント経由のほうが有利なのか」と思われるかもしれません。
ただ、私の場合、扱い方を変えることはありません。
推薦文が付いているから通す、付いていないから落とす、ということはしていない、ということです。
届き方が違うだけで、その先の判断は同じです。
エージェントとスカウト、それぞれの役割については、こちらにまとめています。

「ここは見られていない」は、少なくとも私には当てはまりません
インターネットには「この欄は見られていないので気にしなくていい」という話がよくあります。
私の場合は、そうではありません。
書類は、全部見ています。
理由は単純で、面接をするうえでのヒントがほしいからです。
書類は、その方に会う前に手に入る、ほとんど唯一の情報です。
何を聞こうか、どこを深く聞こうか。
その材料を探しながら読んでいます。
だから、埋まっていない欄があると、単純に材料が減ります。
顔写真についても、ひとつ正直に書いておきます。
写真を見て第一印象が動くことは、実際にあります。
この方に会ってみたいかもしれない、という直感が働くことがあるのです。
もちろん、それだけで合否が決まるわけではありません。
ただ、見ていないということはない、とだけはお伝えしておきます。
顔写真については、こちらで詳しく書きました。

では、どうすればいいのか
ここまでを踏まえて、私が思うことを書きます。
まず、応募する前に、求人票の必須要件をもう一度読んでください。
そこに書かれている条件を、あなたの経歴が満たしているかどうか。
満たしているなら、その事実が書類のどこかにはっきり書かれているかどうか。
私が書類の段階で見送りにしているのは、そのほとんどがここです。
書き方を磨く前に、まずここを確認するほうが早いはずです。
そしてもうひとつ。
書類が通らない時期が続くと、自分の経歴そのものを疑いたくなります。
でも、私が見送りにしている理由の大半は、繰り返しになりますが、条件が合わなかったというだけの話です。
その求人に合わなかったことと、あなたの価値が低いことは、まったく別のことです。
不利に思えることを書くかどうかで迷っている方は、こちらも読んでみてください。

まとめ
・書類選考は実は2回ある。採用窓口と、募集部門の責任者が、別の目で読んでいる
・最初に見ているのは志望動機ではなく、年齢と職務履歴。ただし最終的には全部読んでいる
・見送りになる理由のほとんどは、提示している条件を満たしていないこと
・40代でも見る場所は変わらない。ただし未経験での採用はないため、経験に求めるハードルは上がる
・エージェント経由には推薦文が付くが、それで扱いを変えることはない
・見られていない欄はない。書類は面接のヒントを探しながら読まれている
・だから、書き方を磨く前に、必須要件と合っているかを確認してほしい
書類が通らない時期は、本当にしんどいと思います。
ただ、その多くは、あなたの価値の話ではありません。
条件の合う場所に、まだ出会えていないだけです。
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