「カジュアル面談です、と言われたけれど、これは選考なんだろうか」
調べてみると、答えが真っ二つに割れています。
転職サイトの記事には「選考の場ではありません」と書いてある。
でも個人の方が書いた記事には「それは建前で、実際は普通に落ちる」と書いてある。
どっちなんだ、と思いますよね。
こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。
私自身、面談も面接も実際にやっています。今日は、その中から正直なところをお話しします。
結論:選考ではありません。でも、結果的にそうなることはあります
先に、私の答えを書きます。
カジュアル面談は、選考ではありません。
面談の前には、そのことをきちんとお伝えしています。応募の意思がなくても構いません、という前提で場を設けています。
ただ——実際に話をしてみて、どちらかが「あれ、思っていたのと違うな」と感じることは、普通に起こります。
それは、こちらにも、相手の方にも起こります。
だから、こういう解釈が一番近いのだと思います。
選考ではない。でも、結果的に選考のような位置づけになってしまうもの。
「騙されている」わけでも、「まったく安心していい」わけでもない。その中間が実態です。
なぜそうなるのか、順にお話しします。
面談と面接は、何が違うのか
まず、私の場合の違いを整理します。
| 面談 | 面接 | |
|---|---|---|
| 会う場所 | 本社のほか、社外のカフェなども | 社内(最終は必ず対面) |
| こちらの人数 | 私ひとり | 複数 |
| 会話の比率 | 話を聞く意識が7割 | こちらからの質問が7割 |
| 応募の意思 | まだ無くていい | 応募している前提 |
いちばん分かりやすいのは、会話の比率だと思います。
面接では、こちらからの質問が7割くらいになります。うかがいたいことがたくさんあるからです。
面談は逆で、話を聞こうとする意識が7割です。
理由はシンプルで、質問ばかりしていたら面接と変わらないからです。相手の方も「これ、面談じゃなくて面接では?」と感じてしまうと思います。
それでは、わざわざ面談という形にした意味がありません。
面談は、社外で会うこともあります
これは、あまり知られていないと思います。
面談は、本社に来ていただくこともあれば、その方の職場の近くのカフェやファミリーレストランでお会いすることもあります。
面接では、まずないことです。
そして、どちらを選ばれるかで、その方の状況がなんとなく見えてきます。
・本社を希望される方 → 職場の環境を見てみたい、という方が多い
・社外を希望される方 → まだ応募の意思はないけれど話を聞いてみたい、スカウトをもらったので一度会ってみよう、という方が多い
ちなみに、どちらが有利ということはありません。
会社に来ていただけるほうがプラスに働きそうな気もしますが、私自身は、どこで会うかはあまり気にしていません。
在職中であれば時間の都合もありますし、それぞれ事情があるからです。
面談で私が意識しているのは「正直に伝えること」
面談には、私ひとりで臨みます。
理由は2つあります。
ひとつは、まだ応募の意思がない方のために、社内の何人もの時間を使うのはどうか、という判断です。
もうひとつは、時間配分や話の流れを、自分でコントロールしたいからです。
そのうえで、面談で意識しているのは、まず会社の情報をきちんとお伝えすることです。
良いことばかりを話して応募していただいても、途中で「あれ、聞いていた話と違う」となっては意味がありません。それはお互いにとって不幸です。
だから、正直に伝えるようにしています。
これは面接でも同じですが、面談は私ひとりなので、より慎重にやっているつもりです。
面談の内容は、記録に残ります
ここは、この記事でいちばんお伝えしたいところかもしれません。
面談で話した内容は、A4用紙1枚にまとめて整理しています。
そしてそれを、そのあとの面接のインプット資料として使います。
面接を担当する人も、その情報を求めています。「面談ではどんな話だったのか」を知ったうえで臨みたいからです。
つまり——「選考ではない」と言われた場で話したことは、消えません。
きちんと記録されて、次の場面に引き継がれていきます。
これは、脅しではありません。
むしろ逆で、面談で話したことは無駄にならない、ということです。
面談で伝えた強みも、聞いた質問も、ちゃんと次に届いています。だから、話す価値はあります。
このあたりは、職務経歴書がどう扱われるかとも似ています。こちらにも書きました。
なぜ「面談」という形にするのか
では、なぜわざわざ「面接」ではなく「面談」という形をとるのか。
これは、双方にメリットがあるからです。
| メリット | |
|---|---|
| 求職者 | 選考ではないという安心感のなかで、会社の情報が聞ける |
| 会社 | まだ応募の意思がない、求めている人物像の方に接触できる |
求職者側から見れば、まだ応募していないのに会社の話を聞ける、というのは大きいと思います。
面接だと、どうしても身構えます。選考されている場ですから当然です。
面談は、カジュアルでフラットに話していい、という前提があります。だから、受け入れるハードルが下がる。
一方、会社側にとっては、まだ応募の意思がない方に会えるチャンスが広がります。
こちらが「こういう方に来てほしい」と思う人ほど、いま転職を急いでいなかったりします。そういう方に、面接という形では会えません。
面談なら会える。そして、話すなかで気持ちを動かせる可能性がある。
お互いに、その形のほうが得なんです。
なお、この「一度お会いしませんか」というお声がけは、スカウトメールという形でお送りすることがほとんどです。送る側が何を考えてあのメールを送っているのかは、スカウトメールの本気度と、返信のあとに何が起きるかにまとめました。
面談で見送りになるのは、こういうとき
さて、正直な話をします。
面談のあとに「今回は見送りましょう」となることは、実際にあります。
では、どういうときか。
こういう場面があります。
・情報収集ではなく、ご自身が退職後に始めようとしている事業への協力を求めてこられる
・聞きたいことだけを確認して、10分ほどで切り上げようとされる
・こちらに顔を向けず、ずっと別の作業をしながら話される
極端に思われるかもしれませんが、実際にあります。
これらに共通しているのは、ひとつです。
情報収集にすらなっていない。
情報収集で来ていただくのは、まったく問題ありません。むしろ歓迎です。
でも、上に挙げたものは、情報収集ですらない。こちらの時間をどう考えているのだろう、と感じてしまいます。
逆に言えば——普通に話をしていれば、見送りになることはまずありません。
「選考ではないと言われたのに落ちた」というケースの多くは、たぶんこういう場面なのだと思います。
準備は、どこまで必要か
「カジュアル面談って、どこまで準備すればいいの?」
これも迷うところだと思います。
正直に言うと、準備をしてきたかどうかは、話せば分かることが多いです。
ただ、ガチガチに準備してくる必要はありません。
面接のように構えてこられた方と、オンラインで面談したことがあります。
そのときは、こちらが面談の目的をきちんとお伝えできていなかったのかもしれない、と反省しました。
そもそも、カジュアル面談という言葉自体、世の中にまだ十分浸透していないと思います。分からなくて当然です。
一方で、明らかに「コーヒーを飲みに来ました」という状態の方もいます。
これは、さすがに厳しい。準備の問題というより、相手の時間をどう考えているかという問題だからです。
ちょうどいい塩梅は、こんなところだと思います。
会社のことを一通り調べてきて、聞きたいことをいくつか用意しておく。それで十分です。
面談では、何を聞いてもいい
ここは、はっきりお伝えします。
面談では、基本的に何を聞いてもらっても構いません。
面接では聞きにくい、年収のことも含めてです。
そして大事なのは、その場で答えが返ってこなくても、聞く価値はあるということです。
私はその場で答えられないことがあれば、持ち帰ります。そして、そのあとの面接のときに、
「そういえば、面談でいただいた○○のご質問ですが」
という形で、お答えすることがあります。
聞いておけば、いつか返ってくる。だから、遠慮しないでください。
面談は、あなたが会社を見極める場でもあります。
選考に進みたいときは、その場で言ってください
最後に、実用的な話をします。
面談が終わるとき、私はこちらから正式に応募の意思を確認しています。
ただ、こちらが聞く前に「ぜひ正式に応募したいのですが、どうすればいいですか」と言ってくださる方もいます。
そういう方は、印象に残ります。
逆に——「また連絡します」で終わった方は、そのあと応募してこないことがほとんどです。
これは私の実感ですが、実際そのパターンが多い。
だから、少しでも「受けてみたい」と思ったのなら、その場で言ってしまったほうがいいと思います。
持ち帰って冷静に考えるのも、もちろん悪くありません。でも、気持ちが動いているのは、たいていその場です。
それでも見送りになったら
最後に、いちばん納得しにくいところに触れておきます。
「選考ではない」と言われて参加したのに見送られたら、それは納得できないと思います。当然です。
こちらにできるのは、なぜその判断になったのかを、誠実にお伝えすることしかありません。
そのつもりはなかったけれど、こういうところが引っかかりました、と。
言い訳にしかならないかもしれません。でも、黙って終わらせるよりはいいと思っています。
そして、もう一度書きますが——普通に話をしていれば、見送りにはなりません。
構えすぎず、でも相手の時間を大事にする。それだけで十分です。
まとめ
・カジュアル面談は選考ではない。でも、結果的に選考のようになることはある
・面接はこちらの質問が7割、面談は話を聞く意識が7割
・面談は社外のカフェなどで行うこともある。どこで会うかは有利不利に関係しない
・面談は私ひとりで臨み、まず会社の情報を正直に伝えることを意識している
・面談の内容はA4一枚にまとめられ、そのあとの面接に引き継がれる
・面談という形にするのは、双方にメリットがあるから
・見送りになるのは「情報収集にすらなっていない」とき。普通に話せば問題ない
・ガチガチの準備は不要。会社を調べて、聞きたいことを用意しておけば十分
・年収のことも含め、何を聞いてもいい。その場で答えが出なくても後で返ってくる
・受けたいと思ったら、その場で言ったほうがいい
カジュアル面談は、まだ世の中に浸透しきっていない仕組みです。
だから、不安になるのも当然だと思います。
でも、まだ決めていない段階で会社の話を聞ける場というのは、本来かなりありがたいものです。
構えすぎず、でも雑にせず。それくらいの距離感で使ってみてください。
なお、面談で会社に伺うときは、社内を見られる貴重な機会でもあります。
求人票に出てこない「働きやすさ」をどう見分けるかは、こちらに書きました。
まだ転職を決めていない段階で動くことについては、こちらに書きました。
スカウトを送る側から見た話は、こちらにまとめています。






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