20社落ちた。30社落ちた。
数えるのが怖くなってきた、という方もいらっしゃると思います。
調べてみると、書いてあることがバラバラです。「書類選考の通過率は5〜10%」と書いてあるかと思えば、「3割通れば良好」と書いてある。「40代は150社応募が必要」という記事もあります。
どれを信じればいいのか、分からなくなりますよね。
こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。
私は今、書類を見て落とす側にいます。この記事では、実際にどれくらいの人が応募してきて、どれくらい通るのか、そして落ち続けたことが次の会社にどう影響するのかを、できるだけ正直にお話しします。
先にいちばん大事なことをお伝えします。
落ちた数は、次の会社には伝わりません。 ただし、伝わってしまうものが別にあります。
まず、実際の人数の話をします
私のところの話です。
ひとつの募集に対して、応募をいただくのは10人から15人ほど。そこから書類を通すのは、3人ほどです。
割合にすると、2割から3割といったところになります。
「通過率は5〜10%」という数字を見て絶望されている方がいるとしたら、少なくとも私の見ている範囲では、そこまで低くはありません。
| 私のところでの目安 | |
|---|---|
| ひとつの募集への応募 | 10〜15人ほど |
| 書類を通る人数 | 3人ほど |
| 割合 | 2〜3割ほど |
ただし、これは職種によってまったく違います。
私の実感では、経理の募集には多くの方が応募してくださる一方、営業の募集は応募そのものが少ない、ということが起きています。
同じ会社の、同じ時期の募集でもこれだけ違います。ですので、世の中に出ている平均値は、あくまで平均でしかありません。あなたが応募している職種の状況が、その数字と同じとは限らない、ということです。
落ちる理由でいちばん多いのは、正直に言えば力不足です
ここは、気休めを言っても仕方がないので正直に書きます。
書類で見送りになる理由でいちばん多いのは、募集しているポジションに対して経験や力が足りていないということです。
「あなたのせいではありません」と書いてある記事もありますが、私の実感としては、そうとばかりも言えません。求めている経験があるかどうかは、どうしても見ます。
……と、ここで終わってしまうと、ただ落ち込ませるだけになってしまいます。
大事なのは、その次です。
力とは関係のない理由でも、普通に落ちます
見送りの理由は、力不足だけではありません。
組織の構成上、合わないという理由でも見送りは起きます。これは、応募された方の力量とはまったく関係のない話です。
ひとつ、意外に思われるかもしれない例をお伝えします。
「若すぎる」という理由で見送ることがあります。
たとえば、若い方が多い部署で、30代以上の方に入ってほしいと考えているとき。そこに20代の方が応募してこられると、組織の構成上、見送ることがあるのです。
その方に力がないわけではありません。むしろ優秀な方だと思うこともあります。うちでは見送るけれど、この方は他の会社なら通るだろうな——そう思いながら見送ることは、実際にあります。
年齢を理由に落とされたと感じている方は、40代の方に多いと思います。でも実際には、年齢は「上か下か」ではなく「その枠に合うかどうか」でしかありません。若くても落ちるのです。
つまり、落ちた理由の中には、あなたが何をどう変えても結果が変わらなかったものが一定数まざっています。
そこを全部自分のせいだと思ってしまうと、消耗するだけです。
落ちた数は、次の会社には伝わりません
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
あなたが何社落ちたかを、次の会社は知りません。
知りようがないのです。応募書類にその欄はありませんし、他社の選考結果がこちらに回ってくることもありません。
私が候補者の方の応募社数を知るのは、ただ一つ、ご本人がそう言ったときだけです。
これは、落ち続けている方にとって、いちばん大事な事実だと思っています。
20社落ちていようが、50社落ちていようが、次の会社にとって、あなたはまっさらな状態で応募してきた一人です。過去の不採用が引き継がれることはありません。
それなのに、ご自身から言ってしまう方が多いのです
ところが、です。
面接をしていると、ご自身から落ちた数を教えてくださる方が、けっこういらっしゃいます。
「実は20社ほど落ちていまして……」
こういう切り出し方です。
同情を求めておられるのか、単に正直な方なのか、そこは私には分かりません。ただ、ひとつだけ確実に伝わってくるものがあります。
自信がなさそうだ、ということです。
聞かなければ分からなかったはずのことを、わざわざご自身で開示して、しかも印象を下げてしまう。これは、はっきり損だと思います。
聞かれていないなら、言わなくていいのです。
もちろん、嘘をつけという話ではありません。聞かれたら答えればいい。ただ、聞かれてもいないことを先回りして言う必要はまったくない、ということです。
面接で他社の選考状況を聞かれたときの答え方は、別の記事に書きました。
伝わってしまうのは、数ではなく「残ったもの」です
では、何も言わなければ完全に分からないのか。
正直に言うと、分かってしまうことがあります。
ただしそれは、落ちた数が分かるのではありません。落ち続けたことで、その方に残ってしまったものが伝わるのです。
具体的には、こういう形で出てきます。
| 面接で出てくるもの | どう受け取られるか |
|---|---|
| 「どうせダメだと思いますが……」という話し方 | 諦めモードに入っていると感じる |
| 現職や前職の悪口が多く出る | 一緒に働く場面が想像しにくくなる |
| 話が全体的にマイナス思考 | 入社後も同じ空気になるのではと考えてしまう |
| 話が支離滅裂で、毎回言うことが違う | 何がしたいのかが分からない |
| 「何のために転職するのか」に答えられない | 軸がないまま動いていると見える |
これらは、落ちた数そのものではありません。でも、落ち続けたことで生まれてしまった状態が、こういう形で表に出てきます。
そして、こちらはそこを見ています。
つまり、こういうことです。
守るべきなのは、落ちた数を隠すことではありません。落ち続けても、自分の状態のほうを守ることです。
それでも、数を打つこと自体は正解です
ここまで読んで、「じゃあ数を絞ったほうがいいのか」と思われたかもしれません。
私の考えは逆です。
数を打つのは、正解だと思っています。
何回打席に立つかは、やはり重要です。先ほどお伝えしたとおり、見送りの理由には組織の構成やタイミングといった、こちらの都合が一定数まざっています。その「こちらの都合」に当たるかどうかは、打席に立つ回数を増やさないと分かりません。
そして、数を打っていること自体は、言わなければ相手に伝わりません。
だから、こうなります。
数は打っていい。ただし、打ち続けて消耗した状態のまま面接に行かないこと。
この2つは両立します。むしろ、両立させないといけないところだと思っています。
同じ会社で「次は通る」ことは、基本的にありません
もうひとつ、正直にお伝えしておきます。
「今回はご縁がありませんでしたが、また機会があれば」と言われて、次の募集に期待される方がいらっしゃいます。
私の経験では、同じ会社で、次は通るということは基本的にありません。
一度見送った理由は、次の募集でも大きくは変わらないからです。期待して待っていると、時間だけが過ぎてしまいます。
ただし、例外がひとつだけありました。
経理の募集に応募してくださった方に、「営業の募集も見てみませんか」とお声がけしたことが、一度だけあります。
なぜそうしたか。その方の書類に、経理も営業も経験があり、今も営業に興味があると書かれていたからです。そして、人間性の面でも私たちが求めている人物像に合っていると感じました。
誰にでもする話ではありません。一度きりです。
でも、ここには持ち帰っていただけることがあると思っています。
その入口は、書類にそう書いてあったから開きました。 書いていなければ、私は気づきようがありませんでした。
応募した職種で落ちても、別の入口が開くことがある。ただしそれは、あなたの経験と興味が、相手に見える形で書かれていたときだけです。
書類にどこまで書くかについては、別の記事で詳しくお伝えしています。
まとめ:落ちた数より、落ち続けたあとの自分を守ってください
整理します。
・私のところでは、ひとつの募集に10〜15人ほどの応募があり、書類を通るのは3人ほど。職種によってまったく違う
・見送りの理由でいちばん多いのは、正直に言えば力不足。ただし組織の構成やタイミングなど、力とは関係のない理由でも普通に落ちる
・「若すぎる」という理由で見送ることもある。年齢は上か下かではなく、枠に合うかどうか
・落ちた数は、次の会社には伝わらない。知るのは、ご本人が言ったときだけ
・それなのに、自分から言ってしまう方が多い。聞かれていないなら、言わなくていい
・伝わってしまうのは数ではなく、落ち続けたことで残ってしまった諦めや、マイナスの空気のほう
・数を打つこと自体は正解。ただし、消耗した状態のまま面接に行かないこと
もちろん、すべての会社が私と同じ見方をするわけではありません。応募が何百と集まる会社では、また違う景色が見えているはずです。
それでも、これだけはお伝えしておきたいと思いました。
落ちた数は、あなたの経歴ではありません。次の会社にとって、あなたは今日はじめて会う一人です。
その一人が、疲れきった状態で来るのか、まだ前を向いた状態で来るのか。こちらに見えているのは、そこだけです。
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