【採用担当の本音】スカウトが来たのに落ちた? 送った時点では、まだあなたの経歴を読んでいません

採用の裏側

スカウトメールが届いて、少し嬉しくなって、応募して、そして落ちた。

そんな経験をされた方から見ると、あのメールは何だったのだろうと思われるかもしれません。期待させておいて、という気持ちになるのも当然だと思います。

こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。

私は実際に、スカウトを送る側にいます。この記事では、送る側が何をどう考えてあのメールを送っているのかを、できるだけ正直にお伝えします。

先に結論をお伝えします。スカウトが来たのに落ちたというのは、あなたの経歴が評価されなかったからではありません。多くの場合、送った時点では、まだあなたの経歴が読まれていないのです。

スカウトメールの送り方は、大きく2通りあります

まず、送る側の実態からお話しします。

スカウトを送るときは、システム上で条件を設定して、その条件に合う方を探します。ここまでは、みなさんが想像されているとおりだと思います。

問題はこのあとです。設定した条件によって、該当する人数がまったく違うのです。

条件を細かく絞り込むと、数名しか出てこないことがあります。逆に、条件をゆるめに設定すると、数百名が該当することもあります。

そして、この人数の違いで、送り方が変わります。

該当者が数名のとき該当者が数百名のとき
経歴を読むタイミング送る前に読む反応があってから読む
文面その方に合わせてアレンジする基本はテンプレート
一度に送る人数数名多いときで数十人単位
受け取る側の印象自分のことが書かれているどこかで見たような文面

数名しか該当しないのであれば、一人ひとりの職務経歴を読んでから送ります。文面も、その方の経歴に合わせて手を入れます。

しかし、数百名が該当した場合、全員分を読んでいる時間はありません。ですので、まずスカウトを送って、反応があった方の職務経歴を読む、という順番になります。

これが実態です。

「スカウトが来たのに落ちた」の正体は、読まれる順番のズレです

ここまで読んでいただくと、もうお分かりかと思います。

スカウトの送り方2通りを比較した図。該当者が数名なら経歴を読んでから送り、数百名ならスカウトを送って返信があってから経歴を読む
落ちたのは、比べられて負けたからではありません

スカウトが来たのに書類選考で落ちた、という場合、その多くは経歴を読まずに送られたスカウトです。

送った側は、条件に合う方として機械的に抽出しただけで、あなたの職務経歴書の中身をまだ見ていません。反応があってから初めて読み、そこで「思っていたのと違った」となる。だから落ちる。

つまり、順番の問題です。

これは、あなたが誰かと比べられて負けたということではありません。そもそも比べる前の段階だった、というだけの話です。

そう考えると、少し気が楽になりませんでしょうか。私は、ここを誤解して自信をなくしてしまう方が多いように感じています。落ちた理由が自分の経歴の否定だと思い込んでしまうと、そのあとの転職活動そのものがつらくなってしまいます。

私は、スカウトを送った方を書類だけで見送ることはしません

ここからは、私自身の姿勢の話です。

私は、自分からスカウトを送った方を、書類選考だけで見送ることはしません。

こちらから声をかけておいて、返事をいただいた途端に書類だけで判断するというのは、さすがに失礼だと思っています。私自身のポリシーにも反します。

返信をくださった以上、まずはお会いします。そこで話を伺ったうえで判断します。

ですので、私のところでは「返事をくれたのに、やっぱりなかったことに」という展開は存在しません。

ただし、これはあくまで私の場合です。

すべての会社が同じ姿勢とは限りません。実際に「スカウトが来たのに落ちた」という声が世の中にたくさんある以上、書類の段階で見送る会社は存在するのだと思います。

お伝えしたいのは、そこで落とすかどうかは、あなたの側の問題ではなく、送った側の姿勢の差だということです。落ちたとしても、あなたが否定されたわけではありません。

スカウトメールの本気度は、文面のどこに出るのか

では、届いたスカウトが「読んで送られたもの」なのか「読まずに送られたもの」なのか、受け取る側に見分けられるのでしょうか。

ある程度は見分けられます。判断材料は文面です。

先ほどお伝えしたとおり、文面は基本的にテンプレートです。ただし、経歴を読んでから個別に送る場合は、その方の実態に合わせてアレンジします

ですので、あなたの経歴の具体的な部分に触れている一文があれば、それは読んだうえで送られている可能性が高いと考えていただいて構いません。逆に、どの職種の方にも当てはまりそうな内容だけで構成されていれば、条件抽出で送られたものかもしれません。

ただ、ここで誤解していただきたくないことがあります。

テンプレートで送られたスカウトに価値がないわけではありません。

条件に合う方として抽出されたのは事実です。少なくとも、あなたの登録情報が企業の求める条件と重なっていた。そこは間違いありません。読まれていないのは経歴の中身であって、あなたが対象外だったわけではないのです。

返信は、大きく3つのパターンに分かれます

実際にいただく返信は、おおよそ次の3つに分かれます。

スカウトへの返信3パターンを示した図。話を聞きたい、応募したい、辞退する、のどれを選んでも送った側は困らない
届いたスカウト全部に反応しなくて大丈夫です
返信のかたち送った側の受け取り方
まずは話を聞かせてください(面談希望)最も多い。こちらもそのつもりで送っている
ぜひ応募させてください意思が明確。そのまま選考の話に進む
遠方のため/今は転職を考えていないため、お礼と理由を添えて辞退状況が分かるので、こちらとしても助かる

いちばん多いのは、一つ目のまずは話を聞かせてくださいというパターンです。

これは自然なことだと思っています。私たちも「まずは一度お会いして情報交換をしませんか」という趣旨でスカウトを送っているので、そのとおりに受け取っていただいている形です。

そのあとの流れは、面談になるか、面接になるかで分かれます。どちらに進むかは、ご本人の意思によります。ただ、こちらから面談のお誘いとして送っている以上、まずは面談になるケースがほとんどです。

なお、カジュアル面談が選考なのかどうかについては、別の記事で正直にお伝えしています。

三つ目の、理由を添えて丁寧に辞退される方について、一言だけ。

遠方だから、今すぐの転職は考えていないから。そう理由を書いて返信をくださる方がいらっしゃいます。断りの連絡なので気が引けると思われるかもしれませんが、こちらとしては状況が分かって助かります。無理にお応えいただく必要はまったくありませんが、そういう返し方をされる方には、こちらも丁寧にお返ししたくなります。

返信のあと、経歴書のどこを見ているのか

返信をいただいたあと、私たちは改めて職務経歴書を読みます。数百名に送った場合は、ここで初めて中身を読むことになります。

よく「採用担当はどこを見ているのか」と聞かれますが、正直にお答えすると、どこか一か所だけを見ているということはありません。基本的には全項目を確認します。

そのうえで、特に確認するのは次のようなところです。

・知識、経験、スキル
・転職回数
・資格
・現住所

このなかで、意外に思われるかもしれないのが現住所です。

住んでいる場所は、思っているより見られています。実際、スカウトへの返信で「遠方のため今回は」とお答えいただくことも少なくありません。通える範囲かどうかは、選考が進んでから問題になるより、最初の段階で見えていたほうがお互いにとって良いからです。

職務経歴書はどこまで詳しく書くべきかについては、書類選考の実際の流れとあわせてまとめています。

会ってみたいに変わるのは、やってきたことが書かれているとき

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

経歴書を読んで「この方には、ぜひ会ってみたい」と思うときと、「とりあえず、一度お会いしましょう」で終わるときの違いは、はっきりしています。

言っていることではなく、やってきたことが書かれているかどうかです。

私は、その方の実績や、これまで会社にどう貢献してきたかを評価したいと思っています。ですので、考えや意欲だけが書かれていると、判断のしようがありません。

書き方読んだ側の受け取り方
〇〇だと考えています/〇〇を大切にしています考えは分かるが、何をしてきた方なのかが分からない
〇〇に取り組み、〇〇という成果につながりました行動と結果が見える
〇〇という課題があったので〇〇を改善し、〇〇という成果につながりました行動と結果に加えて、なぜそうしたかまで分かる。ぜひ会ってみたいと思う

いちばん下の書き方が理想です。

行動と、その結果と、改善のアクションまで。ここまで書かれていると、この方は動ける人だ、と分かります。

私が見ているのは、突き詰めればそこです。行動できるかどうか。

考えを持っていることは大事です。ただ、考えは誰にでも書けてしまいます。実際に手を動かして、何かが変わった。その事実だけが、経歴書の上で他の方と差がつくところです。

もしお手元の職務経歴書が「考えています」「意識しています」で埋まっているようでしたら、そこを「やりました」「こう変わりました」に書き換えてみてください。事実は、すでにあなたのなかにあるはずです。

応募してきた方より、スカウトを送った方のほうが期待値は高いです

これは、少し意外に思われるかもしれません。

私の場合、普通に応募してこられた方のほうが、期待値は低い状態から始まります。

理由は単純です。応募してこられたということは、こちらが設定した検索条件から外れていた、ということだからです。条件に合っていれば、こちらから声をかけているはずなのです。

冷たい話に聞こえるかもしれませんが、これが構造です。

ただし、期待値がゼロというわけではありません。ここには例外があります。

たとえば、登録したばかりで、私たちが検索したタイミングにはまだ登録されていなかった方。この場合、条件に合っているのに検索から漏れているだけです。

そして、スカウト型のサービスのなかには、一度検索条件を登録しておくと、あとから登録した方も拾えるようになっている仕組みのものがあります。検索した時点では登録されていなかった方が、後日こちらに見えてくる。そういう仕組みです。

ここから言えることは、ひとつです。

転職するかどうか決めていない段階でも、登録だけは早めにしておいたほうがいい。

条件に合う方を探しているのは、あなたが探し始めるより前かもしれません。登録されていなければ、そもそも検索結果に出てきません。

そもそも企業が40代を欲しがる理由については、採用側の事情を別の記事で書いています。

年齢そのもので、送る相手を変えてはいません

40代の方から、スカウトが届きにくいのではないかというご不安を聞くことがあります。

私自身は、年齢によって送り方を変えてはいません。フラットに見ています。

ひとつだけ例外があるとすれば、採用する部署の年齢構成の都合で、どうしてもその年代の方が必要だという場合です。そのときは意識します。ただ、これは年齢を評価しているのではなく、そのときの枠の事情です。

逆に言えば、届かなかったからといって、年齢で弾かれたと考える必要はありません。単に、そのときの条件と重ならなかっただけということが多いのです。

返信率は、思っているより低いものです

最後に、数字の話を少しだけ。

スカウトメールの返信率は、数%と言われています。私の感覚でも、そのくらいか、少し上といったところです。

100人に送って、返事をくださるのは数人。それが実態です。

この数字を、どう受け取っていただくかです。

送る側からすると、返事をいただけること自体がありがたい。だからこそ、返信をくださった方には丁寧に向き合いたいと思っています。返事は、あなたが思っているよりずっと価値のある行動です。

そして受け取る側からすると、たくさん届くスカウトのうち、全部に反応する必要はまったくないということでもあります。気になったものだけで十分です。

まとめ:落ちたのは、読まれる前だったからです

長くなりましたので、整理します。

・スカウトの送り方には、経歴を読んでから送る場合と、条件で抽出して一斉に送る場合がある
・数百名が該当する条件のときは、送ってから、反応があった方の経歴を読む
スカウトが来たのに落ちたというのは、送った時点でまだ読まれていなかったから
・そこで書類だけで見送るかどうかは、送った側の姿勢の差。私は見送らない
・本気度は文面に出る。あなたの経歴に触れた一文があれば、読んだうえで送られている
・返信のあとに見られるのは経歴書。考えではなく、行動と結果と改善が書かれているかどうか
・年齢で送り分けてはいない。届かないのは、そのときの条件と重ならなかっただけ

スカウトが届いて応募して、落ちた。その経験を、自分の経歴が足りなかったからだと受け取らないでいただきたいと思っています。

読まれる前に落ちたのなら、読まれる状態にしておけばいい。それだけの話です。

そのために今日からできることは、職務経歴書に「やってきたこと」を書き足しておくことです。次にスカウトが届いて、あなたが返信したとき、読まれるのはその経歴書です。

あわせて読みたい

スカウト型のサービスを40代がどう使えばいいのかは、こちらでまとめています。

まだ転職するかどうか決めていない、という段階の方にはこちらを。

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