「書類選考は通るのに、一次面接になると落ちてしまう」
「自分の、どこがいけないんだろう」
——そう悩んでいる方に、今日は正直なところをお話しします。
こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。
「相性が合わなかった」という言葉は、よく聞くと思います。
でも、それが具体的にどういうことなのか、
面接する側から説明されることは、あまりないのではないでしょうか。
今日は、その中身を分解してみます。
結論:相性で見送りになることは、本当にあります
先に、いちばん厳しいところからお伝えします。
面接をしていて「この方とは、うちは合わないかもしれない」と感じたとき、
私の経験では、ほぼ見送りになっています。
感覚としては、ほぼ100パーセントに近いです。
理由は、あとで詳しくお話しします。
ただ、ここで誤解しないでほしいことがあります。
その「相性」は、なんとなくの好き嫌いではありません。
そして、あなたに変えられる部分と、変えられない部分に分かれます。
順番に見ていきます。

面接官は、まず「自分が認めるかどうか」を見ている
意外に思われるかもしれませんが、正直に書きます。
私は採用の実務責任者をしています。
そして、まず私自身がOKだと感じないと、合格にはしません。
そのうえで、配属先の部署や上司との相性を見ていきます。
順番としては、私が先です。
冷たく聞こえるかもしれませんが、理由があります。
組織の文化は、人がつくるからです。
どんな方を迎え入れるかで、その先の職場の空気は変わっていきます。
だから、最初に判断する立場の人間が、そこを曖昧にできない。
つまり、面接で見られている「相性」には、
配属先だけでなく、目の前にいる面接官との相性も含まれている、ということです。
「合わないかも」の引き金は、答えの深さ
では、何をもって「合わないかも」と感じるのか。
いちばん多いのは、答えが表面的だと感じたときです。
たとえば、転職活動をしている理由をうかがったときに、
「なんとなく、今の会社から離れたくて」
という趣旨の答えが返ってくることがあります。
そのとき、心の中では正直こう思っています。
「大丈夫かな。もう少し、ちゃんと考えたほうがいいのでは」
誤解しないでほしいのですが、
「離れたい」という気持ちそのものを否定しているのではありません。
私が見ているのは、答えの内容よりも、
なぜその答えになったのか、という部分です。
・なぜ、今の会社では難しいと思ったのか
・その原因は、環境なのか、仕事の中身なのか
・次の場所では、何が変わってほしいのか
ここまで自分の中で整理できている方は、話し方が違います。
逆に、整理されていないと、どうしても答えが薄くなる。
そして、その薄さは、聞いている側にはっきり伝わります。
ここは、準備でどうにかなる部分です。
前半で決まることが多く、後半での挽回は難しい
これも、正直にお伝えしておきます。
私の場合、面接ではまず、この順番でうかがいます。
・なぜ転職活動をしているのか
・転職先に求めること、期待することは何か
つまり、いま書いた「答えの深さ」が出るところが、前半に来るんです。
だから、雲行きが怪しくなるのは前半です。
そして後半で、その感触が確信に変わっていきます。
前半で感じた違和感が、後半でひっくり返ることは、正直ほとんどありません。
(雑談のような、最初のアイスブレイクの段階で感じることもあります)
これは裏を返せば、前半にいちばん力を入れるべき、ということでもあります。
後半で挽回しようと頑張るより、
最初の2つの質問に、どれだけ自分の言葉で答えられるか。
そこが勝負だと思っています。

一方で、あなたにはどうしようもない相性もあります
ここからは、変えられない側の話です。
以前、ある方の面接が終わって、一緒に担当した面接官と振り返りをしていたときのことです。
もう一人の面接官が、こう言いました。
「仕事の経験との相性はいいんだけど……配属先の上司との相性は、ちょっと微妙かもね」
その方は、知識もスキルも経験も、まったく問題ありませんでした。
仕事を任せるうえでは、申し分なかった。
でも、入社したら配属されるであろう部署に、少しクセのある上司がいたんです。
「この人と、今日の方は、たぶん合わないな」と。
そうなると、せっかく入社しても、早い段階でつらくなってしまうかもしれない。
そういう懸念でした。
「だったら、上司のほうを異動させればいいのでは」と思うかもしれません。
その発想が、まったくないわけではありません。
でも、一人ひとりが大事な役割を持っている職場では、
簡単に配置を入れ替えられないことがほとんどです。
この種の相性は、あなたには見えませんし、変えようもありません。
同じあなたが、別の会社では何の問題もなく通ります。
「合わないかも」を察して取り繕うと、逆効果になることがある
ここが、今日いちばんお伝えしたいところかもしれません。
面接中の「合わないかも」という空気は、実は候補者の方も感じています。
こちらが感じているとき、相手も感じている。お互い様なんです。
そして、それを察知して、フォローを入れてくださる方がよくいます。
さきほどの答えを言い直したり、
「先ほどの件ですが」と補足を重ねたり。
気持ちは、とてもよく分かります。
ただ、正直に書きますが、それが逆効果になることもあります。
こちらとしては、こう思ってしまうんです。
「ああ、やっぱり図星だったんだな」
取り繕おうとする動きそのものが、
本人にも自覚があった、という確認になってしまう。
では、どうすればいいのか。
私は、空気を読んで取り繕うよりも、
聞かれたことに、そのつど自分の言葉で誠実に答え続けるほうがいいと思っています。
うまく言えなかったなら、言えなかったままでいい。
無理に上書きしようとしないほうが、結果的に印象は悪くなりません。
ただし、相性を超えるものもあります
ここまで読んで、「結局は相性がすべてなのか」と思われたかもしれません。
そうではない例も、両方向にあります。
ひとつは、実務能力が圧倒的に高いケースです。
コミュニケーションが取りにくいと感じても、
仕事の力が抜きん出ていれば、それで通ることはあります。
採用する部門にもよりますし、性格と能力のバランスは、もちろん大事です。
それでも「圧倒的」という部分があると、やはり強い。
逆のパターンもあります。
営業職の採用では、スキルよりも人柄で採ることが、たくさんあります。
完成されたダイヤモンドではなく、原石を採用するような感覚です。
お客さまも人ですから、
経験やスキルよりも、誠実で前向きでスピード感のある方を好きになるのは、自然なことです。
実際、人間力だけで営業の数字をつくっている人は、たくさんいます。
だから「スキルが足りなかったから落ちた」と決めつけるのも、また違うんです。
価値観を曲げてまで入社しても、お互いに不幸になる
相性で見送る理由を、最後にきちんと書いておきます。
お互いの価値観を曲げてまで入社していただいても、結局どこかで無理が来ます。
それは、ご本人にとっても、会社にとっても不幸です。
人が足りていないときでも、無理な採用はしません。
無理に採用したことで、かえってマネジメントの手間が増えることもありますし、
何より、定着という一番大事な課題の解決になりません。
だから、見送りのご連絡をするときは、
「この方を否定した」という感覚ではないんです。
「うちではなかった」というだけの話です。
まとめ
・相性が合わないと感じた場合、見送りになることは実際に多い
・ただし相性は、なんとなくの好き嫌いではない
・面接官はまず「自分が認めるか」を見て、その次に配属先との相性を見ている
・「合わないかも」の引き金は、答えが表面的だと感じたとき。ここは準備で変えられる
・面接の前半で決まることが多く、後半での挽回は難しい
・一方で、配属先の上司との相性など、あなたには見えない部分もある
・「合わないかも」を察して取り繕うと、逆効果になることがある
・実務能力が圧倒的なら相性を超えるし、逆に人柄で採ることもある
・価値観を曲げて入社しても、お互いに不幸になる
面接は、お互いのことをもっと深く知るための時間です。
だから「やっぱり違っていた」という判断が出るのは、当然のことですし、
それは結果的に、お互いのためになります。
採用したいと思っていても、タイミングの問題で、先に決まった方がいたということもあります。
だから最後は、本当にご縁なのだと思います。
経営の世界では、「誰をバスに乗せるか」がいちばん大事だと言われます。
私も、そのとおりだと感じています。
あなたが乗るべきバスは、たぶん別のところに停まっています。
一度や二度の見送りで、自分を全否定しないでください。
実際のところ、何社くらい落ちるものなのか。落ちた数が次の選考に伝わるのかどうかも、こちらで書いています。
なお、面接の前半で自分の言葉が出てこない、という方は、
焦りが伝わってしまう話も書いています。あわせてどうぞ。
【採用担当の本音】40代の面接で落ちるのは、焦りが伝わったとき
ちなみに「選考結果の連絡が遅い」のにも、ちゃんと採用側の事情があります。





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