こんにちは、採用に関わる仕事を10年ほどしている、はれまです。
40代の方の面接を担当していると、「この方、すごく一生懸命だな」と感じることがよくあります。
熱意そのものは、まったく悪いことではありません。
むしろ、ありがたいと思っています。
ただ——正直に言うと、
その熱意に、こちらが少し引いてしまう瞬間があります。
今日は、その「引いてしまう瞬間」の話を、できるだけ正直に書いてみます。
責めるつもりは一切ありません。
知っておくだけで防げることだと思うので、お伝えしたいんです。
質問1つに、想像の2倍から3倍の答えが返ってくる
まず、いちばんよくあるのがこれです。
こちらが1つ質問をすると、想像していた2倍から3倍の長さの答えが返ってくる。
しかも、聞いていないことまで、次々と話してくださる。
もちろん、たくさん伝えたい気持ちは分かります。
不安なのか、緊張なのか、それとも自分をよく見せたいのか。
理由は人それぞれだと思います。
ただ、聞いている側からすると、少しずつこう感じ始めます。
「この方、焦っていらっしゃるのかな」
「他に受けている会社がない」と強調されると
もう一つ、正直に書きます。
面接の中で、他に選考が進んでいる会社がないことを強く伝えられ、
「なんとかお願いします」という趣旨のことを繰り返される場面があります。
必死に訴えてくださるのは、熱意として受け取っています。
そこは本当です。
でも——うまく言葉にできないのですが、
逆に引いてしまうのが本音です。
理由をきれいに説明できたらいいのですが、できません。
ただ、そう感じてしまうことがある、という事実だけは、
正直にお伝えしておきたいと思いました。
「複数社、落ちています」と聞いたとき
これも、正直な話をします。
面接で「複数社受けていますが、すべて落ちています」
と話してくださる方がいます。
こちらは、その落ちた理由までは聞けません。
分からないままです。
そうすると、どうしても、こう考えてしまう瞬間があります。
「何か、こちらには見えていない問題があるのだろうか」
これは、勘ぐりです。
褒められた反応ではないと分かっています。
ただし、ここは誤解しないでいただきたいのですが、
それが直接の不合格理由になったことはありません。
実際、そう話してくださった方を見送ったことがありますが、
理由は実務経験が求める水準に届いていなかったからで、
選考状況の話とは関係がありませんでした。
つまり、心証は少し動く。でも、それが決定打になるわけではない。
このくらいの温度感が、実際のところです。
「正直に話す」との線引き
ここで、以前書いた記事との関係を整理させてください。
私は前に、不利な経歴こそ正直に伝えたほうがいいという記事を書きました。
今日の話と矛盾するように見えるかもしれません。
でも、この2つは別のものだと考えています。
- 経歴(職歴やブランク)は「事実」。ここを偽れば経歴詐称になります。
隠せません。
正直に伝えたほうが、結果的に信頼されます。 - 選考状況は「進行中の情報」。
これは、必ずしもすべてを開示する義務があるものではありません。
聞かれたら答える。
でも、こちらから積極的に「全部落ちています」と広げる必要はない。
私はそう思っています。
嘘をつくという話ではまったくありません。
事実は正直に、進行中のことは聞かれた範囲で。
その線引きです。
私は、人柄から先に見ています
もう一つ、面接の進め方についてお話しします。
40代の採用は、経験者採用が基本です。
ですから本来は、知識・経験・スキルが求める水準にあるかを先に確認して、
そこに問題がなければ人柄を知るために質問で価値観を探る——という順番になるはずです。
ただ、私自身は逆の流れを取っています。
先に人柄を見て、それから実務スキルの確認に入る。
これが何を意味するかというと、
面接の序盤で感じた印象が、その後ずっと残るということです。
最初の数問で「焦っていらっしゃるな」と感じてしまうと、
その先のスキルの話を聞いているあいだも、その印象が消えません。
順番として、少し不利に働いてしまうんです。
では、焦りはどこから来るのか
ここからが、いちばんお伝えしたいことです。
たくさんの方を面接してきて、ひとつ気づいたことがあります。
中途採用の方で「伝えるのが上手いな」と感じる方は、実はあまり多くありません。
意外に思われるかもしれませんが、新卒の方のほうが上手いと感じることが多いです。
理由は、はっきりしていると思います。
新卒の方は、学生時代に取り組んできたことを一度きちんと棚卸ししてあるんです。
だから、話の解像度が高い。「何を、なぜ、どう考えてやったか」が、自分の言葉で出てくる。
一方、中途の方は、複数の会社を経験されている方も多く、経験の量では圧倒的に上です。
頭の中では、間違いなく分かっている。
でも、それを棚卸しして、言葉としてアウトプットするところまでは、
やっていないことが多いのではないか
——そう感じています。
だから、いざ面接で聞かれると、うまく自分の言葉にできない。
焦る。
焦るから、たくさん喋ってしまう。
伝わらないから、もっと必死になる。
喋りすぎも、必死さも、根っこは同じところにあるのかもしれません。
準備の問題です。
棚卸しは、一人でやらなくていい
では、どうするか。
自分の経験を棚卸しする。
それだけです。
ただ、これが一人だと、なかなか難しい。
自分のことは、自分がいちばん見えないからです。
「当たり前にやってきたこと」ほど、価値に気づけません。
そこで有効なのが、第三者に話を聞いてもらいながら整理するという方法です。
転職エージェントとの面談は、本来この「棚卸しの場」として使えるものだと、
採用側から見ていて思います。
求人を紹介してもらう場だと思われがちですが、
それより前に、自分の経験を言葉にする練習の場として使ったほうが、
面接の通過率は上がるはずです。
エージェントを「棚卸しの相手」としてどう使うか、採用側から見た本音は
こちらに詳しく書きました。
まとめ
- 40代の面接で、熱意そのものは歓迎されている
- ただ、質問1つに2〜3倍の量を返す、聞かれていないことまで話すと、
焦りとして伝わることがある - 「他に受けている会社がない」と強調されると、採用側は正直、引いてしまうことがある
- 「複数社落ちています」は心証を少し動かす。
ただし直接の不合格理由にはならない - 事実(経歴)は正直に。進行中の情報(選考状況)は聞かれた範囲で
- 焦りの根っこは準備不足。経験の棚卸しができていないことが多い
- 棚卸しは一人では難しい。第三者に話しながら整理するのが近道
面接で落ちるのは、あなたの価値が低いからではありません。持っているものが、うまく言葉になっていないだけ、ということが本当にあります。
伝わる形に整えるだけで、変わる方はたくさんいます。焦らず、まずは棚卸しから始めてみてください。




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